Home/

最近の洗濯用洗剤の洗浄力


■最近の市販洗濯用洗剤の洗浄力

 東京家政学院大学が、「最近の市販洗濯用洗剤の動向」という論文を発表しています。

 これは、最近の市販洗濯用洗剤 @炭酸塩入り粉石けん2種類、A無添加粉石けん1種類、B複合石けん2種類、C粉末合成洗剤6種類、D液体合成洗剤(弱アルカリ性2種類、中性3種類、弱酸性1種類)を用いて、洗濯温度8℃、20℃、30℃、40℃、50℃で洗濯をして、汚染布の汚れ落ちを比較したものです。実際の条件に近いことから、石けんや洗剤の性質を知り、洗濯に生かすことが出来ると考えられます。

 この論文の結果を一部引用し、解説してみたいと思います。


■洗浄力試験の結果


  出典:田中麻紀子ら, 最近の市販洗濯洗剤の動向, 東京家政学院大学紀要, 47(2007)

  不確実な情報ですが、ネット上に製品名が推定されていました。参考程度にしてください。
  F:アリエール、G:アタック、H:ニュービーズ、I:ふんわりニュービーズ、J:トップ、K:ブルーダイヤ、L:アタック、M:トップ、N:ふんわりニュービーズ、O:アクロン、P:エマール、Q:ケアベール

(1) 炭酸塩入り粉石けんの洗浄力は合成洗剤と同程度
  意外なことに、8℃といった低温での洗濯では、合成洗剤より洗浄力は高い。

(2) 無添加粉石けんの洗浄力はかなり劣る
  石けんの洗浄力はアルカリ剤(炭酸塩)を添加することで高まることが、この例でも証明されました。

(3) 複合石けんの洗浄力もかなり劣っている
  複合石けんは、合成洗剤と石けんの利点を生かすように考える人もいるが、実際は洗浄力も悪く、石けんカスも発生するといった、
  両者の欠点を併せ持つ製品のようです。

(4) 粉末合成洗剤は、アルカリ剤を添加できるので、液体合成洗剤より洗浄力は高い。
  液体合成洗剤は、固まったりするのでアルカリ剤などの添加物が多く配合することは出来ません。

(5) 水温が低いと、粉末合成洗剤の洗浄力は極端に低下する。この場合は、液体合成洗剤の方が洗浄力が高くなる。しかし、炭酸塩入り
  粉石けんはそれ以上に洗浄力は高い。石けんは、きちんと溶かしさえすれば、低温でも洗浄力を発揮することがわかります。


 この実験は、東京で行われたものですが、東京の硬度は80〜100と日本の平均硬度の2倍程度あり、石けんを使うには不利な条件で実施されました。そのため、石けんの洗浄力は合成洗剤と同程度でしたが、硬度の低い水や軟水を使ったときは、石けんの洗浄力は著しく高まるので、結果は違ったものになると考えられます。
 洗浄力試験は、その条件によって結果は異なりますので、この実験はあくまで1試験条件での結果と考えてください。