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差し湯は効果がない?


■差し湯はどれだけ効果があるの?

 冬は、水温が下がるため、粉石けんが溶けにくくなって、夏場では気にならなかった、粉石けんの溶け残り、石けんカスの発生、泡立ちが悪いなどの問題が発生しやすくなります。

 冬の洗濯は、水道水より温度の高いお風呂の残り湯を使うのが効果的な方法です。でも、洗濯機が置かれている環境によっては、お風呂の残り湯が使えない場合もあり、水道水を使わざるを得ない方もいらっしゃると思います。

 石けん系の掲示板では、「差し湯をすれば大丈夫」というアドバイスが見られますが、本当でしょうか?
ちょっと計算してみましょう、
 洗濯に、水道水を50リットル使うとします。冬の水道水は10度以下になることも多いので、ここでは10度とします。
差し湯は、やかんいっぱいのお湯(熱湯)を2リットル使います。さて、この条件で、洗濯水温は何度になると思いますか?
 
温 度 水の量
水道水 10度 50リットル
差し湯 100度 2リットル
 
 答えは、13.4度です。熱湯を注いでも、わずか3.4度しか温度は上がりません。しかも、これは水だけを温める場合で、実際は洗濯機も冷えているので、2〜3度しか温度は上がりません。差し湯をしないよりはマシですが、やかんいっぱいの熱湯を注いでもこの程度です。

 「石けんは20度以上で使うことが望ましい」と言う人もいますが、この条件で洗濯の水を20度以上にするには、6リットルの熱湯、すなわち、やかん3杯分の熱湯が必要です。
 じゃあ、湯沸かし器でお湯を作って、洗濯に使えばいいのでしょうか?冬場の洗濯で、毎回湯沸かし器でお湯を使うと、とんでもないガス代がかかります。それは家計にダメージを与えるだけでなく、エネルギー資源の浪費で、日本中でこんなことをすると、資源の枯渇、地球温暖化に拍車をかけることになります。
 石けんの悪口を言う人からは「そこまでして、石けんを使うのか!」「石けんを使うことで、環境を破壊する」なんて声も聞こえてきそうです。
 
■冬の洗濯

 冬の洗濯については、他のページにも書いていますが、再度まとめると

1.冷水で溶けやすい粉石けんを選ぶ
  粉石けん選び方
  石けんの街、そよ風、米ヌカ石けん、自然丸などが冷水で溶けやすい石けんです。

2.ともかく、完全に石けんを溶かすことを考える
  粉石けんを確実に溶かす工夫
  水温が20度以下だと、洗濯機を使って低水位で攪拌しても、石けんは溶け残ることが多く、泡立ちが悪いからと、必要以上に石けんを使ってしまいます。
 上でも述べたように、差し湯をしても水温はあまり上がらないので、低水位攪拌で、溶けない場合は、洗面器やバケツ、ボトルなどを使って溶かす工夫をしてください。
 溶かすだけのお湯なら簡単に沸かすことができます、例えばマグカップに300mL程度の水を入れて電子レンジで温めれば簡単に熱湯ができます。洗面器などに500mLくらいの水を入れておき、そこにマグカップのお湯を注げば、石けんを溶かすには十分のぬるま湯ができます。1分もかき混ぜれば石けんは完全に溶けます。一度完全に溶ければ、冷たい水に入れても、石けんはちゃんと溶けています。

  水温の低い水での洗濯
石けんは20度以下でも、きちんと溶かしていさえすれば、極端には洗浄力は低下しません。とにかく、冬場は、石けんを確実に溶かすことが最大のポイントです。