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塩素除去シャワー


■塩素除去シャワー
 水道水には、殺菌の目的で塩素が含まれています。確かに、生の水道水を飲むと、「カルキ臭い」ですね。
 最近は、「水道水は発がん物質が入っていて危険」、「水道水はまずい」、等の理由で、ミネラルウオーターがずいぶん売れているようです。
 確かに水道水は、山のわき水や、良質の井戸水ほどは水質は良くないのは事実ですが、生活に使う水は、目的によって求められる水質は異なります。
 
 一番高度に水質が求められるのは、飲料用です。確かに、おいしい水を飲みたいものですが、これをミネラルウオーターに頼るのも、どうかなという気がします。ミネラルウオーターの規格は、必ずしも、水道水の規格より厳しいというわけではなく、ディスカウントショップ等で売られている、安売りのミネラルウオーターが、安全という保障はありません。そして、何より、ミネラルウオーターは高価であり、輸送のエネルギーがかかっていること、ペットボトルの容器の大量廃棄の問題があり、環境的には望ましい物ではありません。水道蛇口に取り付ける簡単な浄水器でも、塩素は完全に除去できます、農薬や、カビ臭もほぼ完全に除去できます、トリハロメタンは、確かに除去しにくいのですが、沸騰させると大部分が除去できるので、安全上は問題なくなります。
 
 一方、一番水質が問題にならないのは、トイレ用、洗濯用、食器洗いや掃除用の水です。これらの水は、水道水で十分です。もっとも、洗濯用には硬度が問題になるので軟水が理想的ですが。
 
 さて、中くらいに良い水質が求められ、かつ使用量も多いのが、浴用の水です。特に、シャワーを良く使われる人にとってはどのような水質が求められるのでしょうか?
 シャワーで気になるのが塩素臭です。なぜ、シャワーで塩素臭がするのでしょうか?塩素などのガスは熱い水より冷たい水に良く溶けます、また、水圧が高いほど良く溶けます。シャワーに使うため、水道水は瞬間湯沸かし器で一気に加熱されます、そして、水圧の高い水道管から、シャワーによって一気に解放されることにより、溶けていた塩素ガスは一気に気化してガスとなります。狭い浴室で、シャワーで何十リットルものお湯を使うと、浴室内の塩素濃度はかなり高くなります。また、ガス化するのは塩素だけではありません。発ガン性が問題となって、水道水の水質基準も定められているトリハロメタンもガス化しやすい物質です。トリハロメタンは塩素ほど臭いはありませんが、シャワー室内では確実にガスとして存在します。トリハロメタンを生水から摂取する量は、それほど多くありませんが、シャワー室内でガスとして呼吸から吸収される量は無視できないと思われます。
 
 通常のシャワー使用では、すぐに健康に問題になるレベルではないと思いますが、特に、塩素に過敏な人、化学物質に過敏な人などは、塩素やトリハロメタンを除去するに超したことはありません。
 
 塩素を除去するにはいくつかの方法があります。
(1)浴槽にビタミンCを入れる
 これは一番簡単な方法です。浴槽に、ビタミンCのカプセルを1個入れることで、ほぼ完全に塩素を中和できます。正確には、ビタミンC(アスコルビン酸)は還元性があり、塩素を無害な塩素イオンに還元します。浴槽にミカンの皮を入れる、柑橘類の果汁を入れるのも同じ理由です。
(2)浴槽に炭を入れる
 炭は塩素を吸着するので、浴槽に入れると、塩素は除去されます。備長炭、竹炭など、多くの製品が売られています。ただし、浴槽は150リットル〜200リットルもお湯があり、少しばかりの炭を沈めているだけでは、完全に塩素を除去するには、かなりの時間がかかります。
(3)塩素除去シャワー
 最近、シャワーの塩素を除去するシャワーヘッドが多く市販されています。これは、シャワーヘッドに亜硫酸カルシウムやアスコルビン酸等の還元剤を内蔵し、水道水中の塩素を還元し、塩素イオンにする物です。手軽に使えて便利ですが、小さなシャワーヘッドに入る薬品量では、塩素が除去できる量は限界があり、メンテナンスをきちんとする必要があります。また、トリハロメタンは除去できません。
(4)活性炭フィルター
 市販の浴用軟水器には活性炭が内蔵されている物があり、これなら、塩素、トリハロメタンも除去出来て完璧です。しかし、欠点はランニングコストが高いこと。
 
粒状炭を作る
 塩素だけでなくトリハロメタンまで除去するには活性炭を使うのが理想的です。市販の活性炭をペットソフナーやマルチソフナーに詰めると簡単に塩素を除去できます。活性炭は薬局で購入できます。(500gで2000円くらい)。しかし、シャワーは毎日使う物だけに、高価な活性炭を使うと、ランニングコストも気になるところです。安価な排水処理用の活性炭が入手できれば良いのですが、工業用は10kg、20kg単位の購入になります。
 そこで、安価で活性炭に変わる、粒状炭を作ってみました。材料は「炭」、キャンプ用などに売られている物です。炭は塩素や臭気などを吸着する性質があります。ちなみに、活性炭は炭を細かく砕いて粒子をそろえた後、水蒸気や薬品などで処理して、表面積を5倍くらいにした物をいいます。活性炭は少ない量で済みますが、値段は高くなります。炭だと値段が安い分、毎日の使用に負担がかかりません。また、シャワーでの使用だと、自作の粒状炭で十分です。

用意するのは、
(1)炭(キャンプ用の炭でもかまいません。但し、安いカスカスの炭は使って行くうちに砕けて、粉になるので、出来れば堅い炭や備長炭が望ましい。これだと、3kgで1000円程度で入手でき、活性炭の10分の1程度です。
(2)新聞紙
(3)金づち
(4)目の粗いざる(食器乾燥用など)
(5)目の細かいざる
炭は今回は紀州備長炭を使いました。
炭を新聞紙でくるんで金づちでたたいて細かく砕きます。
(ブロックで砕いたり、車のタイヤで踏んでも(^^;砕くことが出来ます)
砕いた炭は、目の粗いざるに入れて、ふるって目の細かいざるに取ります。
目を通らなかった大きな炭は、再度砕いて、ふるいにかけます。
 
目の細かいざるに取った炭は、水で洗って微粉炭を除きます。
これで、粒の揃った粒状炭が出来ます。
 
粒状炭は乾かして、ポリ袋などに密閉して保存してください。
出来上がった粒状炭。
表面積は粒子の大きさに反比例します。
元の炭が20cmくらいの長さだったので、粒状炭の大きさが4mmとすると、表面積は元の炭の50倍になっています。
粒状炭はペットソフナーやマルチソフナーに詰めて使うと便利です。
例えば、マルチソフナーには2リットルのイオン交換樹脂が入りますが、イオン交換樹脂を1.5リットル詰めて、観賞魚用フィルターを厚めに詰めた後、上部に0.5リットルの粒状炭を詰めます。
これで、軟水浄水シャワーが完成です。イオン交換樹脂の再生は粒状炭が入ったまま行えます。粒状炭の寿命は、シャワー使用量によりますが、0.5リットルとかなり多く入っているので、数ヶ月は使えます。
粒状炭
 
少し多めに作ってみました。モニターとして、希望される方5名ほどにお譲りします。(紀州備長炭30%、木炭70%)
500mLポリ瓶入りで500円(送料390円)です。
マルチソフナーと同時注文の場合は送料無料です。