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自分だけの石けんを作る本


 
 ■自分だけの石けんを作る本
 ■2005年 4月 1日 初版発行
 ■発行所 uki☆uki☆せっけんライフ 
 ■非売品
 



e-Book対応

iPad、iPhone、Android、ガラパゴスなど
の電子書籍端末で読むことができます
 
 
 実は構想から4年ほどかかっているのですが、ようやく手作り石けんの本をまとめることができました。

 手作り石けんがブームになっていますが、どうも科学的に正確でない情報も多いように感じます。なんだか手作り・無添加だからよさそう、ムードだけで自作の石けんを自画自賛しているような情報も多くあります。また、苛性ソーダの危険性を軽視しているHPや本もあります。
 肌の質は全ての人が異なるのに、自分あった石けんの作り方を明確に教えてくれる情報は多くありません。

 この本の目指したものは、手作り石けんを科学して、安全、簡単に、自分の肌質にあった石けんを作ることです。

 また、理想の洗顔とはどのようなものかを考えて、理想の洗顔を実現するには、自分にあった手作り石けんと軟水だけがあればよいことを明らかにしました。

 初めて手作り石けんを作ってみようという方だけでなく、すでに手作り石けんを作っておられる方が、自分のやり方を見直すためにも、ぜひ読んでもらいたい本に仕上がっています。

 本書は非売品ですが、個人での利用に限り 無料 で差し上げています。
詳しくは こちらを ご覧ください。


☆全面改定した「自分だけの石けんを作る本2」を発行しましたので、本書の配布は終了します(2012.11)。


目 次

はじめに
オリジナルソープ
手作り石けんと市販の石けんの違い
オリーブ石けんとココナッツ石けん
石けんを構成する脂肪酸の性質
石けんの性質を知る方法
石けん作りに使う油の性質
いろいろな石けんの性質を比べてみました
手作り石けんのウソ・ホント
安全で簡単な石けんの作り方
石けんシミュレーション
肌質にあった石けんを作る
本物のハーブソープを作る
石けんの酸化を防止する
オリジナル石けんレシピ
廃油石けんの作り方
手作り石けんと軟水の出会い
理想の洗顔
軟水器を自作する
市販されている軟水器
あとがき
手作り石けんなどの材料の購入先
関連リンク
参考文献


 全面カラー、写真、図も多数




■ はじめに 

 健康志向、自然志向の高まりから、近年、石けんや化粧水を手作りする人が増えています。手作り石けんは、オリーブオイル、ココナッツ油、パーム油、牛脂、ラードなどの食用油脂を使って、台所で作る石けんです。これらの、冷製法で作る石けんは、できあがった石けんの中に保湿剤であるグリセリンを含み、また、適度の油脂が残っている、いわゆる過脂肪石けんであることから、使い心地は市販の石けんとはずいぶん違ったものになります。良質の手作り石けんは、泡立ち、汚れ落ちも良好で、何より、洗い上がった後のしっとり感は石けんに対する常識が全く変わるくらいです。

 ここ数年の間に、手作り石けんの本が多く出版され、インターネットでも手作り石けんを扱うサイトが増えました。いずれのメディアも手作り石けんの良さを絶賛するような内容です。しかし、このようなブームの中、いくつかの疑問も出てきました。

 第一に、手作り石けんを作る際の安全性を軽視している情報が多くなってきている点です。石けん作りに使う苛性ソーダは劇物であり、化学の専門家でも、その取り扱いには細心の注意を払わなければならないものです。そのような危険な薬品を、十分な安全設備もない台所で、子供やペットもいるような環境で扱っても大丈夫なのでしょうか?今のような、ボールと泡立て器で作っていて、本当に事故が起こらないのでしょうか?

 第二の疑問は、自分にあった手作り石けんを簡単に作ることができるのかという点です。多くの手作り石けんの本は、作者自らのレシピを自画自賛していますが、実際に作ってみると、期待していた石けんができない場合もよくあります。「もっと泡立ちをよくしたいけれど、刺激が出るのはいや」、「もう少し固い石けんを作りたいが、どの油をどれくらい加えればいいのか」、「別のオイルを使いたいが、どれくらい使えば、どのような石けんができるのか」、などは誰もが考えることですが、今までの手作り石けん本を読んでも答えは見つかりません。つまり、手作り石けんの性質について科学的に考えて、自分の肌質にあった石けんを作るという試みは、今まで十分に行われていなかったのです。

 この本では、手作り石けんの作り方を見直し、より安全に、品質の良い石けんを家庭で作る方法を紹介します。また、手作り石けんの性質を科学的にとらえてみました。手作り石けんの原料油脂の種類から、できあがる石けんの性質をシミュレートする方法を紹介します。この方法を使えば、誰でも、自分の作ろうとする石けんが、どのような性質を持つかを予想できるようになります。

 そして、手作り石けんの性質を最大限に引き出すために、水にもこだわりました。石けんの欠点は石けんカスができるため、洗顔後、肌につっぱり感がでることです。せっかくの手作り石けんも、石けんカスのために、本来の性質を生かし切っていないのも事実です。軟水を使うと、石けんカスができないため、洗顔後の肌はすべすべに仕上がります。軟水+手作り石けんで、汚れを落としながら、肌に大切な成分を残すという理想的な洗顔が実現できます。

 手作り石けん、そして手作りの軟水、これだけあれば自分の最高の美肌を作ることができる、これがこの本のテーマです。この本が、みなさんの、石けんライフに、少しでもお役に立てれば幸いです。