Home/

本物のハーブソープを作る


■ハーブソープは人気だけど

 ハーブソープも人気のある石けんです。しかし、手作り石けんのレシピの多くは、精製水の代わりにハーブティーを使って石けんを仕込んだり、エッセンシャルオイルで香りをつけた程度のものです。この程度の量のハーブでは、肌に対する効果はまったく期待できず、ちょっとした色づけか、気休めにしかなりません。

 石けんに香りを付けるためにエッセンシャルオイルを使う方は多いと思います。しかし、エッセンシャルオイルには、アルカリに弱く、苛性ソーダに触れると加水分解して、においが無くなったり、他のにおいになったりする「エステル」という成分が多く含まれています。そのため、手作り石けんを作るときは、大量のエッセンシャルオイルが必要になるわけです。しかし、石けんは直接肌に触れるものなので、あまり大量にエッセンシャルオイルを加えるのは考えものです。エッセンシャルオイルの中には、皮膚に刺激があるものや、光に当たったらシミができやすいもの、妊娠中には使用を控えた方がいいものなどがあるからです。


■本物のハーブソープを作る

 佐賀県の三瀬村に「ミツセファーム」というハーブガーデンがありますが、ここのご主人の村瀬さんは、自分で育てたハーブをアトピーや肌の弱い人の役に立てようと15年以上も研究をかさね、ハーブティーを石けんに入れる方法では効果が得られないので、ハーブを粉末にして石けんに練りこむという方法を考案されました。その村瀬さんが石けんに練りこむハーブの量は、400gの石けん素地に対して、なんと25gという量なのです。できた石けんは真っ黒になりますが、アトピーのかゆみを抑える、乾燥肌にも脂性肌にもいいと評判で、リピーターがたえません。つまり、ハーブの効用を石けんに取り入れようと思ったら、そのぐらいの量のハーブを入れなければならないのです。

 ハーブ成分の一部は、苛性ソーダの強アルカリで分解されるので、少ない量のハーブではほとんど効果は期待できません。ハーブ石けんを作るなら、500gの石けん素地に対して、最低でも20g以上のハーブが必要だと考えてください。



■エッセンシャルオイルや有効成分を有効に配合する

 エッセンシャルオイルが苛性ソーダで分解されることは先に述べましたが、ハーブ抽出エキス、お茶の緑の色素、豆乳、牛乳や卵など、手作り石けんに加えたい多くの成分は苛性ソーダで分解してしまいます。
 市販のハーブソープやお茶石けんなどは、石けん素地に有効成分を練り込んで作られるので、成分が分解されることなく残るのに対して、手作り石けんは、どうしても強アルカリの苛性ソーダを使うので、多くの有効成分が無駄になってしまいます。

 これらの成分を分解することなく手作り石けんに添加することは出来ないのでしょうか?

 以下に、エッセンシャルオイルやハーブ抽出エキスを無駄なく手作り石けんに添加する方法を示します。

(1) あらかじめ作っておいた手作り石けんか、市販のグリセリンソープ、石けん分100%の粉石けんなどを少量のお湯にとかし、歯磨き剤より堅めのペースト状にします。
(2) エッセンシャルオイルやハーブ抽出エキスなどを(1)に加えます。加える量は、できあがる石けんに入れる予定量の20倍。
  たとえば500gのバッチに10mLのエキスを加える予定なら、(1)25gに10mLのエキスを加えます。
(3) (2)を平らな板などの上に敷いたラップに5mm程度の厚さに広げ、日光の当たらない、風通しのよい場所で1〜2日乾燥させます。
(4) 乾燥したら、5mm角程度の大きさに切って、ジャムなどの瓶に入れ、光があたらない場所に保存します。
(5) 手作り石けんを普通に作り、型入れ前に(4)をバッチの5%(500gバッチなら25g)加え、ざっと混ぜた後型入れします。

 この方法だと、エッセンシャルオイルやハーブ抽出エキスは、苛性ソーダに直接触れないので、分解することなく手作り石けんの中に入れることが出来ます。


本物のハーブソープ(ローズマリー、カモミール)はカドリーサボン様から購入できます